コラム

水廻りのリフォームセット。本当にお得か検証してみました。

こんにちは。

地元豊橋、豊川で増改築リフォーム専門店を営んでいるありがとうの家です。

 

リフォーム屋さんのチラシやホームセンター、家電量販店でよく目にするのが、「水廻りのリフォームセット」。そろそろリフォームをお考えのあなたは、「おお、安い!」と目が行くことでしょう。

新築の場合、築後15年から20年前後でキッチン、浴室、洗面所、トイレの水廻り設備機器は交換時期を迎えます。複数のリフォームがお得に同時に行えるリフォームセットはとても魅力的です。

でもその前に、水廻りのリフォームの予備知識を身に着けて、失敗のないリフォームを実現しませんか?

 

◆水廻りのリフォームで見落としがちなコストとは◆

水廻りのリフォームの場合、リフォームセットの設備機器本体以外に掛かってくる費用を忘れてはいけません。

よくあるパターンでは、以前と設備機器の位置を変更する場合、給排水管、ガス管、電気配線の位置も変更になるため、その分の費用が加算されます。

場合によっては設備機器の設置の為に壁を撤去・補修をしたり、浴室の保温性を高めるために窓を小さくしたり、水漏れ等で傷んだ床板の張り替えも必要になってくることがあります。

水廻りのリフォームは、余裕を持たせた予算プランで行うようにしましょう。

 

◆リフォームセットを利用しない場合、リフォームの相場は?◆

リフォームセットの費用と、個別でリフォームを行う場合の費用を相場別に比較してみましょう。

□キッチン
キッチンリフォームの相場は、60万から150万円程度と言われています。もとからある場所に同じ形のキッチンを設置する場合はさほど工事費用は掛かりませんが、キッチンの形や間取りを変更する場合は、120万から300万の工事費用が掛かってきます。

設備機器は30万円くらいからありますが、揃いのシリーズのカップボードや、キッチンの設備機能、大理石天板などにこだわると、システムキッチンそのものの費用も200万円以上となります。また、システムキッチンの交換に合わせてキッチンの床や内装もリニューアルする場合の費用も検討したほうが良いかもしれません。

□浴室
浴室のリフォームの相場は80万から200万円程度です。古いユニットバスから新しいユニットバスへの交換の場合は工事費も抑えられますが、在来工法の浴室からユニットバスの場合、解体と設置のほかに給排水管のやり替えや土間コンクリートの打設があり、場合により間取りの変更も伴うために工事費用が掛かります。
ユニットバスはメーカーやランクによって標準設備が異なることが多いので、欲しいオプションがある場合はそのオプションが標準装備とされているものを選択すると、別途後付するよりお得になります。

□洗面所
洗面所リフォーム(洗面化粧台の交換)の相場は10万から20万円程度です。「間口」と呼ばれる洗面所の横幅サイズを今お使いのものから変更しない場合は、設備機器の取り外しと設置だけで済むので費用を抑えられます。

一方、間口を広いものにするなど変更がある場合は給排水管のやり替えなどの工事費用が掛かります。最近は、以前と同じ間口で広めの洗面ボウルになるように設計された洗面化粧台が販売されていますので、ショールームなどで実際に目にするとよいでしょう。

□トイレ
トイレリフォームは、設備機器の交換や便座の交換だけでしたら8万から20万円程度です。壁と天井のクロスとクッションフロアーの貼り換えもする場合は、30万から50万円くらいです。物入や手洗い器の設置などを追加すると60万円程度になります。

和式トイレを洋式トイレに変更する場合は、解体、給排水管のやり替えや造作、クロス貼りも含められますので、50万から60万円程度を見ておくとよいでしょう。

 

◆リフォームセットを利用するメリットとデメリット◆

水廻りのリフォームのそれぞれの相場をお伝えしましたが、リフォームセットを利用した場合はひとつひとつ選んでリフォームする場合に比べて約5%ほど、割安になります。

「よし、リフォームセットに決定だ!」
ちょっと待ってください。その前にもう少し、リフォームセットを利用した場合のメリットとデメリットを詳しくお伝えします。

メリット

〇リフォーム費用が抑えられる。
〇1つの会社に依頼することで、見積もりや打ち合わせ、施工までの手間が少なくて済む。
〇1つの会社へ依頼することで、施工後に不具合があったときに対応をしてもらえる。
〇複数の工事を同時に行うことで、施工費用を1回に抑えられる。

デメリット

×リフォーム会社の仕入れのタイミングによって、型落ち商品がセットになっている場合がある。
×メーカーや機能、オプションの選択が減ってしまう。
×セットの一部だけ利用して、ほかはこだわりたいという自由度が減る。
×設備機器のカラーも、選択に制限がある場合がある。

ほかの注意点としては、リフォームパックは設備機器の本体価格とそれにかかわる工事費用のみであることです。

・浴室リフォームのついでに浴室サッシを交換したい、小さくしたい
・トイレリフォームのついでにクッションフロアーを貼り替えたい
・水廻りのリフォームと一緒に、居室の内装工事をしたい
・浴室リフォームのついで脱衣所の内装もリフォームをしたい

このような場合、弊社では別途見積もりを取って施工をさせて頂いておりますが、量販店のリフォームパックの場合ですと対応が不可のこともありますので、ご注意ください。

 

◆水廻りリフォームの目安は15年から20年◆

毎日使用する水廻りの設備機器の寿命は、15年から20年といわれています。しかしこれは目安であって、当然前後します。
不具合が出てきた、使い勝手が悪くなってきたと感じるようになったら、そろそろリフォームを考え始めたほうがよいでしょう。
漏水で床が腐ってしまった、となると修復の費用もかさみますし、冬場お風呂が壊れた、いきなり便器が割れたとなると日常生活にも支障をきたしてきます。

そうなる前に、前もってリフォームパックをチェックしておき、納得のいくセットを利用し交換時期に合わせて水廻りを一新しておけば、工事も一度で済ませられて楽ちんなうえにお得になります。

新築の場合は築年数で水回り機器のおよその寿命がわかりますが、そうでない場合は一度交換時期の確認をしておくこととよいでしょう。

(株)ありがとうの家 代表 塩川昌志(二級建築士)