コラム

ガルバリウム鋼板とは?外壁・屋根に使用するメリット・デメリット

ガルバリウム鋼板について

最近よく聞くガルバリウム鋼板とはなにか

ここ10年余りで一般住宅の外壁材に使用されることの多くなったガルバリウムは約20年前に特許が切れたことにより一気にその利便性から注目され、現在多くの住宅で使用されています。

 

「ガルバリウム鋼板」は、住宅や建築現場で近年急速に注目を集めている建材です。特に屋根や外壁のリフォームを検討している方々にとって、従来のトタンやスレートに代わる革新的な選択肢として人気を博しています。その秘密は、素材の組成にあります。亜鉛・アルミニウム・シリコンをバランス良く配合した特殊合金で構成され、これを鋼板にメッキしたものが「ガルバリウム鋼板」と呼ばれています。

ガルバリウム鋼板について

この鋼板は、金属素材でありながら錆びにくく、耐久性が極めて高いのが特徴です。さらに、加工性にも優れており、さまざまな建築スタイルや用途に適応できる柔軟性も兼ね備えています。従来の屋根材や壁材と比較しても、施工後のトラブルが少なく、メンテナンス性にも優れていることから、多くの施工業者や施主から信頼されています。

ブリキ・トタン・ガルバリウム 何が違う?

一般的に混同されやすいのが、ブリキやトタンとの違いです。ブリキは鉄にスズをメッキしたもので、主に容器や玩具などに使用されてきました。一方トタンは、鉄に亜鉛をメッキした建築資材で、以前は屋根材としてよく使われていました。トタンはコスト面では優れていますが、亜鉛が消耗すると防錆機能が落ち、サビが急速に広がります。これに対し、ガルバリウム鋼板は亜鉛とアルミを6対4の割合で鋼板にメッキ処理を行い保護作用が加わることで、自己修復機能が働き、サビの進行を長期間抑えます。

ガルバリウム鋼板の落とし穴

どんなに優れた素材でも、注意点は存在します。ガルバリウム鋼板の場合、その高い性能ゆえに初期費用が高くなりがちです。また、施工の際に小さな傷がついたり、メッキ層が部分的に剥がれたりすると、そこから錆びが進行することもあります。さらに、薄い鋼板であるため、強い衝撃で凹みやすいという弱点もあります。施工の技術力や設置後の環境に大きく左右されるため、信頼できる施工業者に依頼することが非常に重要です。

ガルバリウム鋼板のメリット

耐久性があり錆びにくい

ガルバリウム鋼板は、耐久性において他の屋根材・外壁材と一線を画します。最大の特徴は「防食性」。亜鉛が腐食を抑え、アルミが保護するという二重の仕組みにより、サビが進行しにくく、結果として20年以上の長寿命を誇ります。これにより、再塗装や張替えの頻度が減り、メンテナンスコストも抑えることができます。

軽くて耐震性が高い

金属素材でありながら、ガルバリウム鋼板は非常に軽量です。1㎡あたり約5kg前後とされ、瓦の約1/10程度の重量しかありません。この軽さが住宅の躯体に与える負担を大幅に軽減し、耐震性の向上にも寄与します。大地震の際にも倒壊リスクを抑えられるという大きな安心感があります。

カバー工法が可能

既存の屋根材や外壁材を撤去せずに、その上から新たにガルバリウム鋼板を被せる『カバー工法』にも対応しています。この工法は廃材が出にくく、工期が短縮され、費用も抑えやすいという大きなメリットがあります。特に築20年以上の住宅でリフォームを検討する際には有力な選択肢となります。

シンプルで都会的なデザイン

ガルバリウム鋼板は、その見た目も現代建築にマッチしています。無駄のないフラットな質感や直線的なラインが、モダンでスタイリッシュな外観を実現。グレーやブラック系のカラーも多く、シンプルながら洗練された印象を与えることができます。

吸水しにくく凍害に強い

寒冷地では冬場の凍結による『凍害』が建材の劣化を早めますが、ガルバリウム鋼板は水を吸収しないため、その心配がほとんどありません。内部に水分を含まないことで、凍結による膨張・ひび割れといったリスクを防ぎます。

リサイクル可能で地球環境に優しい

金属製品であるガルバリウム鋼板は、廃棄後にリサイクルが可能で、環境負荷が少ない建材としても注目されています。地球資源の有効活用が求められる今、持続可能な社会を目指すリフォーム素材として理想的です。

ガルバリウム鋼板のデメリット

手間がかかる

防火上の断熱性能がない分、必ず下地として石膏プラスターボードを貼ることが義務付けられており、手間を考えると窯業系サイディングに比べ日数がかかりますが、トータルコストでは若干割安にもなります。ただし、プラスターボードは雨に濡れると弱くなってボロボロになるので、晴れの日に行う必要があります。

凹みやすい

鋼板とはいえ非常に薄く加工されているため、外部からの強い衝撃で凹みが発生することがあります。特に大きな雹や飛来物が当たった場合には注意が必要です。ただし、最近では厚みを持たせた強化タイプの製品も登場しており、弱点を補う動きも見られます。

デザインの種類が少ない

ガルバリウム鋼板はモダンなデザインに適している反面、和風住宅やクラシックなデザインとの相性が難しいことがあります。木目調やタイル調といった多彩なデザインが揃っている窯業系サイディングに比べると、選択肢が限られていると感じる方も少なくありません。

錆びる場合もある

非常に錆びにくい素材とはいえ、絶対に錆びないわけではありません。施工時に傷がついた箇所や、特に海に近い場所では塩害がなどにより徐々に錆が進行するケースもあります。特にメンテナンスが不十分な場合には注意が必要です。

また鉄道が通っている線路の近くでは鉄粉が飛んできますので雨が当たりづらい軒下などに白錆が発生するためどうしても定期的な塗り替えが必要になります。

 

断熱性、遮音性が劣る場合がある

金属製のため、外気温の影響を受けやすく、断熱性はそれほど高くありません。また、雨音などの遮音性も他の建材に比べて劣る傾向があります。断熱材や遮音材と組み合わせて使用することで、快適性を向上させることが可能です。

 

雨音がする

雹や大粒の雨が激しく降ってきた場合、断熱の厚さにもよりますが雨音が敏感な方だと気になる場合があります。日本瓦や洋瓦に比べ厚みがないので音の伝わり方がダイレクトにきます。

ガルバリウム鋼板はリフォームで絶大な人気を誇っている

屋根や外壁のリフォームを検討する際、ガルバリウム鋼板は非常に人気のある選択肢となっています。理由としては、既存の素材と比べて高い耐久性とメンテナンス性、そしてデザイン性の高さが挙げられます。とくに、施工の自由度が高く、既存建物の形状や意匠に合わせやすいため、プロの建築士や工務店からも高評価を受けています。

ガルバリウム鋼板で屋根を張る方法

リフォームで主流の「横葺き」

横葺きは、板金を横方向に重ねていく工法で、リフォームの現場でよく採用されています。施工が比較的容易で、コストも抑えやすいため、住宅用として多く使われています。特に水の流れがスムーズで、防水性にも優れている点が評価されています。

新築に多い「縦葺き」

縦葺きは、屋根の勾配に沿って縦方向に施工する工法です。雨水がよりスムーズに排出され、見た目もシャープで高級感のある仕上がりになります。新築住宅やデザイン重視の住宅で採用されることが多いです。

ガルバリウム鋼板で外壁を張る方法

「横張り」と「縦張り」

横張りと縦張りがありますが、個人的には「縦張り」1択だと思います。なぜなら横張りだと誇りや汚れが溜まり年々汚くなるからです。縦だと雨で汚れが下のほうに流れ微かが保ちやすいからです。

ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法

定期的な洗浄

表面に付着した砂ぼこりや鳥のフン、排気ガスなどは、放置すると腐食の原因になります。年に1〜2回、ホースで軽く水をかける程度でも十分効果があります。汚れがひどい場合は中性洗剤を使ったやさしい洗浄が推奨されます。

塗り替え

ガルバリウム鋼板は塗装が劣化すると美観が損なわれ、防水性にも影響が出ます。使用環境にもよりますが、10〜15年を目安に再塗装を検討すると良いでしょう。遮熱塗料を使えば、省エネにもつながります。

葺き替え、張り替え

経年劣化やサビの進行が著しい場合は、部分補修では追いつかず、全面的な葺き替え・張り替えが必要になることもあります。特に築20年以上経過している場合は、建物全体の状態を確認し、長期的な修繕計画を立てることが重要です。

ガルバリウム鋼板屋根の耐久性

屋根の寿命は30年前後

一般的に、ガルバリウム鋼板を使用した屋根は30年以上持つとされています。ただしこれは適切な施工とメンテナンスが行われた場合です。定期的な洗浄や塗装によって耐久性はさらに高まり、50年近く使用されている事例も存在します。

ガルバリウム鋼板の寿命が短くなる要因

施工ミス、傷の放置、塩害地域での使用などが寿命を縮める原因となります。また、素材そのものが高性能でも、雨水が溜まりやすい構造や通気性が悪い環境では劣化が早まることもあります。

さらに耐久性の高い「高耐食めっき鋼板」が解決

近年では、ガルバリウム鋼板をさらに進化させた「高耐食めっき鋼板」も登場しています。これにはマグネシウムを加えることで、より高い防錆性能を実現しています。特に沿岸部や酸性雨の影響がある地域では、この高耐食仕様が推奨されます。価格はやや高めですが、安心感は段違いです。

ガルバリウム鋼板のメーカー

ガルバリウム鋼板の屋根が消費者に届けられるまでの流れ

国内の代表的なメーカーには、日鉄鋼板やJFE鋼板などがあります。これらの企業は長年のノウハウと品質管理により、安定した製品を供給しています。工務店やリフォーム業者は、これらの製品を仕入れ、屋根職人が現場で加工・施工する流れです。

ガルバリウム鋼板のメーカー

実績が豊富な大手メーカーの製品は、品質面でも安心感があります。製品保証がある場合も多く、アフターサービスも整っているため、初めて導入を検討する方にもおすすめできます。

おすすめ商品と色

おすすめ商品:断熱材一体型

最近人気を集めているのが、断熱材が一体になったガルバリウム鋼板です。これにより、断熱性と遮音性の弱点を同時にカバーできます。冬は暖かく、夏は涼しい家づくりをサポートします。

ガルバリウム鋼板のおすすめ商品

例えば、ニチハやアイジー工業の『サイディングパネルシリーズ』は、豊富なカラーバリエーションと表面加工が魅力です。デザイン性も高く、選ぶ楽しさが広がります。

屋根は特に色にも注意

屋根材の色選びは、外観だけでなく、熱の吸収率にも影響します。黒や濃いグレーは高級感がありますが、熱を吸収しやすいため、遮熱塗装との併用がおすすめです。明るめのシルバーやホワイト系は、熱を反射しやすく、省エネ効果が期待できます。

屋根と外壁の工事価格

目安は1㎡当たり税込み1.2万円

ガルバリウム鋼板の施工費は、屋根・外壁ともに1㎡あたり約1.0〜1.5万円が相場です。内容や地域によって異なりますが、材料費・施工費・足場費用を含めた総額で見積もりを取ることが大切です。

ガルバリウム鋼板の実例とユーザーの声

実際の施工例から学ぶ

例えば、築30年の木造住宅で屋根をガルバリウム鋼板にリフォームしたAさんの事例では、施工後の見た目の変化に加えて、雨音が静かになった、室内の温度が安定したといった効果が実感されたそうです。外壁も同時にリフォームしたことで、まるで新築のような仕上がりになり、近隣からの評判も上々だったとのことです。

リフォームを選んだ理由

Bさんの場合は、以前使用していたスレート屋根が劣化して雨漏りが発生したため、リフォームを決意しました。さまざまな素材を比較した中で、ガルバリウム鋼板が最もコストパフォーマンスに優れていたこと、デザインが現代的であったことが決め手となったそうです。

ガルバリウム鋼板の今後の展望とトレンド

高性能化とデザインの進化

近年、断熱性能を強化した製品や、木目調・石目調といった意匠性の高いガルバリウム鋼板が増えており、今後はより幅広いニーズに対応する建材へと進化していくと見られています。特に、ゼロエネルギー住宅やスマートハウスとの相性の良さから、新築・リフォーム問わず選ばれる機会が増えています。

環境への配慮とリサイクルの強化

サステナブルな社会の実現に向けて、建築資材の再利用・再資源化が求められる中、リサイクル可能なガルバリウム鋼板の需要は今後さらに高まることが予想されます。これからの時代にふさわしい素材と言えるでしょう。

最後に個人的な感想を1つご紹介します。

個人的には自宅もガルバリウムを外壁材として選び10年が経ちましたがいまでもピカピカで良かったと思っています。

20年以上前にお世話になった板金屋さんの大将に言われた一言をよく覚えています。「昌志君(私の名前)ガルバいいよ。錆びんし、丈夫でほとんど塗装もいらんから」と。

 

執筆者 (株)ありがとうの家代表 塩川昌志