コラム
住宅の間接照明についての解説

以前は商業施設やホテルなどで主に採用されていた間接照明ですが、近年では住宅でも積極的に取り入れられるようになりました。特に若い世代の間で、ダウンライトなどの間接照明が人気を集めています。
間接照明とは?
間接照明とは、光源を直接見せず、壁や天井に光を反射させて空間を照らす照明手法です。これにより、柔らかな光が広がり、目に優しく、落ち着いた雰囲気を演出します。また、空間に奥行きや立体感を与える効果もあります。
間接照明が増えている理由
- インテリアデザインの進化
近年、シンプルで洗練されたインテリアが好まれる傾向にあります。間接照明は、光源が見えないため、空間をすっきりと見せることができ、モダンなデザインと相性が良いとされています。
- 照明技術の向上
LED技術の進化により、コンパクトで高性能な照明器具が登場しました。これにより、間接照明の設置が容易になり、商業施設だけではなく、住宅においても壁、天井、足元などさまざまな空間での活用が可能となっています。
- ライフスタイルの変化
在宅時間の増加に伴い、自宅での快適性やリラックスできる空間づくりが重視されています。間接照明は、柔らかな光で心地よい雰囲気を演出し、リラックス効果を高めるため、多くの人々に支持されています。
間接照明の種類と特徴
ダウンライト
天井に穴を開けて埋め込むタイプのライトで、空間を広く見せることができます。下方照射型とユニバーサル型(可変式によりヘッドの角度が変えることができる)があり、用途に応じて使い分けられます。
ブラケットライト
壁に取り付けるライトで、おしゃれな空間を演出します。光の方向を調整することで、単調な演出から脱却し、雰囲気ある空間にすることができます。特に階段廻りや吹き抜け、寝室など天井付けと違いを出す場合に多く用いられます。
フットライト
玄関や階段の下に取り付けて、足元を照らすライトです。安全性を高めるとともに、おしゃれな空間を演出します。特に、お年寄りのおられるお家や夜間にトイレにいく場合など想定されます。また玄関廻りの雰囲気演出にも一役買います。
レールライト
天井にレールを取り付け、スポットライトを自由に配置できる照明です。光の方向を自在に調整でき、味のある空間を作り出すことができます。ダイニングテーブルの上など位置が自由に変えられるペンダントライトに使われます。
照明に関する知識の重要性
照明のことは、意外にもプロのリフォーム業者でも知らないことが多いです。建築や資格の学校でも照明のことは基本的に教えてくれないことが多いためです。日本では、天井につけるシーリングライトが主流で、ついこの前までは蛍光灯で室内を照らしていました。日本に来た外国人が「潜水艦の中にいるみたいだ」と言ったくらい、照明に関しては無頓着な面がありました。
それに対し、欧米では必要な部分に必要な照明をつけるというスタイルです。暗い場合はスタンドライトやスポットライトで補い、例えば独立した光景を映画などで見たことがあるかもしれません。
ですので、日本でも今後は固定化して考えるのではなく時と場所によって自由に変えていく発想をもってもいいと感じます。
照明の基本的な考え方
照明には計算式があります。1畳につき白熱球で20ワットが基本です。現在では白熱球はほぼ廃止され、あと何年かで蛍光灯も生産が中止になり、LEDのみになりますが、便宜上この計算式で見ます。ちなみに、白熱球換算せずに蛍光灯とLEDそのままの表示で計算する場合は、蛍光灯が自然光の3分の1、LEDが5分の1になります。例えば6畳一間に必要な熱量は、白熱球計算で120ワットが最低必要になります。
間接照明の活用方法
間接照明で最も多いのがダウンライトです。これは大きく分けて2つに分けられます。1つは下方照射のダウンライト。文字通り真下のみを照らす用途に使います。もう一つはユニバーサルというヘッドが手で動かせて、曲げられ、壁に照射するタイプのライトです。特にバーカウンターやギャラリーコーナーにこのユニバーサルライトを使うと格好良くなります。下方照射のみだとどうしても暗くなるので、ある程度数を増やすか他のライトと併用することをお勧めします。
次にブラケットライトは壁付けライトともいいます。情報を照らす後、布型や四方に拡散するバランス型があります。照らす方向をいろんな方向にすることで、単調な演出から脱却し、雰囲気ある空間にすることができます。
他にフットライトはよく玄関の下に取り付けて、足元を照らしたりし、おしゃれな空間を演出できます。その他、壁の中に薄いLEDを組み込み、天井を照らす方法など、様々な間接照明の方法があります。
最近多いのがブラックなどのレールを部屋の一面の天井につけ、そこに自由にスポットライトを何個かつけ、いろんな方向に向け、味のある空間にしている方も多いです。
光の色温度と用途
ライトについては、昼白色の白いライトは光が強く、キッチンや机の上など作業する場所に適しています。それに対し、昼高色はオレンジの色で柔らかい光でくつろいだ癒しを与えることができます。特にリビングや寝室、お風呂、トイレに適しています。
最近では中間の温白色という中間のものも出ています。
シーリングライトの多くはリモコンでそれぞれ調整ができるものが主流になっていきています。それだけシーンに合わせ光を変えるニーズがあると言えます。
まとめ
間接照明は空間に柔らかな光をもたらし、居心地の良い雰囲気を演出するための効果的な手法です。種類や設置方法を理解し、目的や空間に合わせて適切に取り入れることで、おしゃれで快適な空間を実現できます。これまでの一部屋に天井ライト一つという平凡な照明ではなく遊び心を入れ様々な角度からお部屋を照らすことにより雰囲気が大きく変わり生活に潤いを与えてくれます。
ぜひ、間接照明を活用して、理想のインテリアを作り上げてください。